あなたの声? 忘れるわけがありません。
「ドイツ製の新車,見に来ちゃった!」笑いながら訪問。ALS(筋萎縮性側索硬化症)で,今回介護保険で特殊な外国製の車椅子をレンタル開始した男性。
「進行性の難病だと言われ,自分としてはALSを知っているひとにケアマネになって貰って,早め早めの対応をしていきたいんだ」 ケアマネジャーとしてご依頼された際,ご本人がおっしゃった言葉。
私が受け持ちをさせて頂いてたかたは,既に進行した状態であったこと,またこの疾病は進行の速度や症状が個々異なるため,予測がしにくい事を正直に申し上げた。(だったらいいや…とお断りされるかな?)と思っていたら,ニッコリ笑いながら「わかりました。今後も宜しく」
こうして,ケアマネジャーとしてのお付き合いが始まり一ヶ月。
車椅子を見せてもらいそのあと雑談になり,ボツリと呟かれた一言…「今はこうして話しているけど,呼吸器になったら声出せなくなるんだよな。…みんなに声忘れられちゃうんだよな」
忘れない。忘れられる訳ないじゃないですか。
忘れないためにも,お話できる間はお話しましょうよ,たくさんたくさん。そして今後たとえ呼吸器がついたとしても,どんな心情になろうとも,貴方も介護される奥様もまるごと受け止めて行きますから。…心の中でしっかり誓ったのです。
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コメント
「すだちの花満開だよ〜。実がなったらもぎにおいでよ」
ALSの彼はニコニコしながらそうおっしゃって下さる。
介護保険での利用票のお届け・モニタリングのために訪問したところ,家の畑を歩きながら,嬉しそうに「あれは茄子…あれはトマトだよ」と説明してくださる。
「いつか孫が出来たら,こうやって畑のなか…案内してやりたかったな…。もうじき歩けなくなるだろうし…車椅子じゃ畑のなかは通れなくなるよね。いっそコンクリート流しちゃおうかな」
大丈夫!その時はバギータイプの車椅子を見つけてみせるわ!と,笑って返したけれど…
あなたに絶望なんてさせるものか!
あなたがあなたらしく生きたいと思っていらっしゃる間は、決して私も諦めたりしない。どんな状況になっても私は必ず、あなたと奥様を支える一本の手でいますよ,ずっと。
すだちの花の香りが風に舞って漂ってきた中で,そっと心の内で呟いていました。
投稿: 根本美貴 | 2010年5月25日 (火) 22時51分