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2010年6月 5日 (土)

「あなたの声を忘れるわけがありません。絶望なんてさせるものか!」に新しいコメントがつきました。

「それ…俺の同級生だ」  ALS協会の集まりに向かう車の中で,亡くなられた支部長の名前が彼の口から出た時,鳥肌が立った。(こんな悲しい偶然て!)

「…そうだったのか…チキショウ…何であいつが…何で俺が…何で同じ病気なんだよ…」何度も呟くように繰り返すその様子に,かけてあげられる言葉を探してしまった。

しかもこれから参加する協会の集まりは,亡くなられた支部長を偲ぶ会の色合いが濃く,彼と奥様にとってとても切ない思いをすることになってしまうかも…と,心中穏やかではなかった。
会が始まり,亡くなられた支部長さんの奥様が,パワーポイントの写真の前でお話して下さり,在りし日のそのお姿と,お目にかかった時の交わした言葉が甦り,涙が溢れてきた。会社を興した時,一番初めに電話を下さった。

「助けて欲しいんです!」 今も,あの時の悲痛な声は耳に焼き付いている(結局,諸事情によりケアには繋がらなかったが,時々奥様とは電話でお話をしていた)

会場には,彼が最も信頼している(セカンドオピニオンを受けた)ドクターも東京から駆け付けてくれた事を,ご夫妻は感激されていた。私もご挨拶をさせて頂く事が出来た。亡くなられた支部長さんたちの闘病・ご家族の思い,いらした患者さんたちの今の生活,そしてドクターからのお話。この先の事を考えると,胸が塞がるような辛い現実。車で会場を後にした私と奥様が同時に「あっ!」  フロントガラスいっぱいに広がった綺麗な大きな虹!!

それを見た時,なぜか(大丈夫)と励まされた気がした。(君達は力を合わせて頑張れるよ)と,誰かに笑いかけてもらえたような気がした。

頑張りますよ,私たち!

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3)みんなの声 私の声」カテゴリの記事

コメント

仕事帰りに病院へ立ち寄らせていただいた。
自発呼吸がしっかりとして,先週半ばにレスピレータは離脱し,今日は,なんと!酸素もせず,人工鼻だけ!
おおお…!!!すごいねぇ!と話しかけると,ニコニコして,何か奥さんにアイコンタクトしている。

「見てみて,コレコレ」

ルーゲーリックの記念切手のシートにサイン。それは患者さんが最も信頼している,東京の神経内科の有名なドクターのサインだった。

「今日,わざわざ東京から来てくれてびっくりした。そして,何があっても決してあきらめちゃ駄目だよ,と言葉をかけてくれたんだ」と嬉しそうに話してくださる。
話に夢中になり,ふと見ると点滴が無くなりそう…
ナースコールを押し,伝えるがなかなかナースが来ない…。
交換の点滴をようやく持ってきたけど,既に針が詰まり,差し替えになる。

「…もしかしてナースのかたですか?」と,若い男性の看護師さんに聞かれ…

いえいえ,ただの面会人です…

「いや,動きとかわしかたがナースそのものなんですけど…?」

…バレたか…
それにしても,ナースの動き…?長い職業で身についた習慣はふとしたことで出るものなんだなあ…と,妙に納得した一日の終りであった。

投稿: 根本美貴 | 2010年10月18日 (月) 23時03分

以前,「夏が終わる頃,体力が無くなって呼吸器をつけたの」というALSのかたの言葉が残っていて,(この夏が終わる時…どうかそうなりませんように!)と祈る想いで過ごしていた。日曜日,肺炎で緊急入院された事を聞き,病院へ伺った。カヌラで酸素吸入しながらも「呼吸器はまだ使わなくても大丈夫とドクターから言われた」と奥様より説明あり,(じゃあ,リハビリを受けて予定どおり10日くらいで退院ね)と,少し軽くなった気持ちで,帰って来た。
今日,病院に用事がありちょっと顔を見てから…と病室へ伺うと

挿管されレスピレータを装着している!!!

なんで?どうして?

「昨日ベッド上でお通じしてるとき,酸素が60まで下がって…話が出来なくなっちゃった!」と奥様が泣き出される。

大丈夫!大丈夫!と,華奢な奥様をギュッと抱きしめながら,自分にも言い聞かせるように声に出す。

目をつむっている本人の右手をそっと握り
「びっくりしちゃったね?苦しくない?」と声をかけると,手を握り返して下さった。

「昨夜は,ずーっと器械のアラームが鳴りっぱなしで,看護師さんを何度も呼んじゃった。看護師さんは”心配ないですから”と言うけど,アラームが鳴るってことは異常があるからなんでしょ?
そんなに呼んじゃ駄目だったの?」レスピレータを見るのが初めての奥様は怯えている。

ううん,呼んで良いのよ。そしてわからない事はどんどん聞いていいの。

そう告げるとホッとした表情になられた。

今,レスピレータと自発呼吸がうまく噛み合わない(ファイティング)ために,睡眠薬(セデーション)を使っている状態だ,と言う事を奥様の目を見つめゆっくり説明する。

「そっかぁ…そう説明してくれたら,よくわかったのに。そしたらあんなに呼ばなくてもよかったのに」

帰る時,両手首に抑制帯がついているのに気が付いた。
両腕の動きはほとんどない状態なのに!抑制するなんて!なんてセンスの悪い看護してるんだ!とムラムラと怒りが沸いてきた。
来週の火曜日には気管切開を受ける,とのこと。
これからが「正念場」だ。でも,逃げ出さない!放り出さない!そして絶望なんて,絶対にさせるものか!

投稿: 根本美貴 | 2010年9月30日 (木) 21時27分

パソコンのマウスが上手く操れなくなったので,この先の事を考え,昨日「伝の心」のデモンストレーションを体験した感想を伺いに訪問。

「あれね〜,かなり難しいよ。時間がかかるしさ」と,感触としてはあまり芳しくない感じ。

「定型文を入れておくといいんでしょ?」と横からアドバイスする奥様に,「違うんだよ!」といらいらした声で蹴飛ばそうとするご本人。

「栗,拾ってけ」とおっしゃって下さり,奥様と二人で栗を拾いながら,お話を伺って来た。

「あんなふうに,すぐにイライラして怒り出すことが多くなって来て…」
「私が何か言っても決して素直に聞いてくれないの。他の人の話は聞くのに…」

麻痺がじわじわと進んで来ている事に対しての焦り・恐怖。明日はどうなっているんだろうという不安。出来なくなってくる悲しみ。日々,葛藤している心を押し隠し,平静を装っているけれど,ちょっとした隙間にそれらの感情が噴出してしまう…。そして当たれるのが唯一奥様なのだ,と思う。

「聞いてくれてありがとう。わかっているけど,胸に溜めていると辛くなっちゃうのよ」

ご本人「こいつ(妻)が風呂場でわざと手を離すんじゃないか,と怖いよ」
「そりゃあ,普段のお父さんの言動にかかってくると思うよ,ねっ?お母さん」
三人で大爆笑となる,秋の日でした。

投稿: 根本美貴 | 2010年9月17日 (金) 13時41分

暑いですね〜。今日はこれから訪問へ…。
私のひそかな訪問前の「お楽しみ」を聞いて下さい。
実は、患者さんのお宅へ向かう道の途中にステキなカフェがオープンしたのです。先日は訪問時間まで間があったので,そのカフェでお茶を飲んでみました。冷たいカフェオレも美味しかったのですが,お水を飲んで「おおお!」とびっくり。お水が薔薇の香り。ローズウォーターでした。
それに回りの人が頼んでいるランチもとってもいい匂いがして美味しそう。
店員さんも女性ばかりでとても感じのいいお店だったので,今日はひとつお腹をペコペコにしてランチをいただいてみようか,と考えてます。
モリモリ食べて,訪問で力を発揮しなくちゃ!

投稿: 根本美貴 | 2010年7月24日 (土) 11時27分

午後の訪問に伺うために、特急電車に乗って行きます。
車窓の外に広がる長閑な田畑,季節折々の花や野菜が流れて行きます。今は栗の花真っ盛り。お国自慢をさせていただけるならば,茨城は農産物の日本一が多いところなんです。土浦の蓮根,鉾田のメロン,友部の栗,そしてひたちなかの干し芋。
私はこの田舎で,ちょっとダサい茨城を愛してます。愛する土地で,地域のひとが,たとえ病いに侵されても,当たり前に不自由なく暮らして行けるようになればいい…と,自分が今出来ることに真摯に取り組みたいと考えてます。
さあ,今日伺う患者さんに,栗の花が満開だったことをお伝えしてまいります。笑顔になっていただける事を祈りつつ…

投稿: 根本美貴 | 2010年6月26日 (土) 11時31分

いつもなら,サササーッと読めてしまうくらいの厚さの本。
でも,この本はそれが出来ないでいる。

「生きる力…神経難病ALS患者たちからのメッセージ」(岩波書店)

ALS協会の集まりに参加した際,受け付けの脇で販売されていたので,最新版のケアブックとともに購入したものである。

ALS患者さんの生の声・苦悩,そして今を精一杯生きる姿が,行間に溢れている。そして,人間の強い心,生きる力に胸が震え鼻の奥がツンとなる。
人工呼吸器を装着し,一文字一文字パソコンに時間をかけて打ち込んだ文章を,私も噛み締めるように心に刻むように読み進む。「私に出来ること」を探りながら…。

投稿: 根本美貴 | 2010年6月 9日 (水) 22時56分

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