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2015年10月 4日 (日)

コラム【「からだ」番記者レポート】 Vol.8京都に、おでん食べに行かんか 原山建郎(Harayama Tatsuro) 

遠藤ボランティアグループ代表兼顧問   原山建郎(はらやま・たつろう) 

1946(昭和21)生まれ。 主婦の友社の雑誌『主婦の友』編集部で作家・遠藤周作氏の担当記者となり、その後『わたしの健康』編集長時代に遠藤氏が提唱した「心あたたかな医療」キャンペーンに加わる。 遠藤ボランティアグループ発足時、遠藤氏の要請を受けて同グループ顧問となる。 数年前からは代表に就任している。 2003(平成15)年より、フリーの健康ジャーナリストとして取材・執筆・講演活動を行っている。 現在は、武蔵野大学・龍谷大学・文教大学・東洋鍼灸専門学校非常勤講師。 一般財団法人東方医療振興財団評議員。医療ジャーナリスト懇話会会員。 西野流呼吸法塾生。主な著書に、『からだのメッセージを聴く』(集英社)、『身心やわらか健康法』(光文社)、『最新・最強のサプリメント大事典』(昭文社)、『あきらめない!もうひとつの治療法』(厚生科学研究所)などがある。 

Vol.8   京都に、おでん食べに行かんか

遠藤さんは、ときどき謎かけめいた電話をかけてくる。たとえば、「京都に、おでん食べに行かんか?」

「はい、おともします」「来週○曜日○時、京都ホテルで」  早速、編集長に「遠藤先生と打ち合わせです」と出張届けを出す。 

京都ホテルのロビー、「こっちだ、こっち」と遠藤さんの声。約束の時間より二十分早い。すぐタクシーを拾う。「南座までやってください」〈おでんを食べる〉と聞いていた私は、〈南座で、おでん?〉と内心困惑しながらも、できるだけ平静を装う。

十二月の南座は吉例顔見世興行で、まねき(看板)には、勧進帳で弁慶を演ずる中村吉右衛門の名も見える。特別観覧室に案内されて、私も歌舞伎見物のお相伴にあずかった。圧巻は吉右衛門弁慶の見事な「飛び六方」だった。歌舞伎を堪能したあと、鴨川沿いにタクシーを走らせ、遠藤さん馴染の料理屋に到着。遠藤さんのおごりで、本命のおでんを「ゴチ」になる。

〈これだから、編集者はやめられん〉

京都ホテル一階のラウンジで、食後のコーヒー。ロビーの方を気にしていた遠藤さんが、突然、声を上げた。「吉右衛門さん、こちらですよ」  中村吉右衛門丈が笑顔で振り向き、こちらにやってくる。飲み物を勧めて、しばらく歓談したあと、遠藤さんの発案で、とんでもないことが始まった。

まず、吉衛門丈に〈気を付け〉姿勢をお願いし、左右の肩の高さを見比べてみる。左の肩がほんの少し下がっていた。すると、遠藤さんが、私の耳元で言う。「ほら、あれをやってみたまえ」

その数カ月前、健康雑誌の〈噛み合せ矯正〉対談で、左側で片噛みする習慣が「右肩下がり」を招く話が出た。噛み合せの高さをマウスピースで調整する方法で、たとえば肩が下がっている側の歯で〈割り箸〉を強く噛み、両肩を上下に動かすと、両肩の高さが同じになる実験も行った。それを、天下の歌舞伎役者にやれ、というのだ。

 

「面白い、やってみましょう」 早速、割り箸を左の歯で噛み、両肩を上下に振ってもらう。そして、「左右(高さ)が同じなりましたよ」「不思議なことがあるものですね」

 

冷や汗と脂汗が、同時に流れ落ちた。

 

<お知らせ>

10月10日(土)午後1時半より、東京・築地本願寺(講堂)で、原山さんの講演(講話)を聴くことができます。 演題(講題)は『遠藤周作の「病い」と「神さま」――「心あたたかな医療」の源流をさぐる』です。浄土真宗のお寺で、カトリック作家の話です。

お時間がありましたら、ぜひお出かけください。

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