【原山建郎の連載コラム】「つたえること・つたわるもの」№166 ロシアのウクライナ侵攻――ハチントンが予言した「文明の衝突」
8月8日(火)にアップした連載コラム「つたえること・つたわるもの」№166をお届けします。
ロシアのウクライナ侵攻ーーハンチントンが予言した「文明の衝突」 | ゴム報知新聞NEXT | ゴム業界の専門紙 (gomuhouchi.com)
今回のコラムには、二つのトピックスがあります。
ひとつは、今夏78回目となる原爆の日(広島・8月6日、長崎・8月9日)を迎えた現在の世界情勢は、「完全なる核廃絶をめざす」から「核抑止力の保有はやむを得ない」へと舵を切っているかにみえるなか、私の友人で歯科医のSさんから「広島投下の夜の原爆被災者の医療救援に向った」やはり歯科医の父上が二十数年前、歯科医の学会で講演されたスピーチ草稿を見せていただきました。そこには、「海軍の歯科医科士官になって広島の原爆投下の夜、救援活動で広島市内に入り、人類が始めて体験した原子爆弾の惨劇の現場に踏み込む羽目になってしまった」父上の「三日間、広島の市内を医療救援にさまよいました。真っ暗ななかから被爆者の手が伸び出て、腕をつかまれます。かすかな声で「助けてください」とつかんだ、その火傷の皮膚がぬるりと剥げてまとわりつきます。あちらこちらに、地獄の劫火のような火が燃え盛っていました。無数の死体と添い寝もして眠りました。」という苛烈な体験が書かれていました。Sさんのご了解を得てその一部を引用させていただきました。
ロシアのメドベージェフ元大統領は7月30日、「ウクライナの反攻が成功すれば、ロシアは核兵器の使用を余儀なくされる可能性がある」と述べ、戦術核兵器(対象を敵の軍事拠点などに限定する形で、低出力の核攻撃をしかける兵器。広島・長崎に投下された原爆の5~10倍の威力がある)の使用をちらつかせています。
もうひとつは、最近のウクライナ反転攻勢、ロシアの戦術核使用の可能性が気になって、アメリカの政治学者サミュエル・ハンチントンが1996年に著した『文明の衝突(上下巻)』(サミュエル・ハンチントン著、鈴木主税訳、集英社、1998年→集英社文庫、2017年)を読んでいたら、「ウクライナは異なる二つの文化からなる分裂国だ」と書かれていました。ハンチントンは「文明と文明が接する断層線(フォルト・ライン)での紛争が激化しやすい」と主張しており、ウクライナの西部(ポーランド寄りの地域)と東部(ロシア寄りの地域)の文化と文明の歴史的経緯がくわしく書かれていました。いまから27年前の執筆ですが、大変興味深い考察だと思います。
詳細は☞ ダウンロード - 166.pdf
お時間のあるときにお読みください。
☆原山建郎☆
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