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本当は怖い。「神様、助けて・・」

● 須之内 哲也 sunouchi tetsuya         

事故に遭わなければ一時代を築いたに違いない元・オートレーサーによるコラム

「須之内 哲也の世界」~もう一度会いたい~

「おれが生きているのは初美のおかげ。ただ、もう一度会いたい」。
その時々の情景を思い浮かべながら、ひたすら心の内を書き綴っていく。

事故に遇わなければ・・船橋で注目され一時代を築くとうたわれた元オートレーサー、
彼の車名は知る人ぞ知る『ホージョウ』。
レースの賞金で自家用車をもらうほどの一流選手で、弟子を十数名も抱え、師匠と呼ばれるほどにのぼりつめていた。
しかし、30歳にならない歳で脊髄を砕く大事故に遭い選手生命を閉ざされた。
車椅子での生活を余儀なくされ、周囲に当り散らしたこともあった。そんな時、妻の初美さんが見せる悲しそうな顔。
「哲っちゃんのニコニコ笑っている顔が一番好き」という初美さんの言葉・・
それからの生活はいつも一緒で何をするにもふたりだった。
しかし、初美さんは9年前、彼の手の中で逝った。「哲っちゃん、愛してる」の言葉を遺して・・。

⇒バックナンバー(vol11以降)

⇒バックナンバー(vol10まで)

vol.16. 本当は怖い。「神様、助けて・・」 2008-9-20

 毎日、順調に回復して元気になって、普段と変わらないような生活になってきたので、出来るだけ本人がしたいことは何でもさせるようにしていた。

 散歩も毎日一緒に行って、私が犬の散歩をしていた時の知り合いが多く、犬の散歩に来ている人に「今度は奥さんに連れて来てもらっているの」なんて、声をかけられたりした。二人で笑って「哲ちゃんも、いろんな人知っているんだね」と初美が言うから、「犬の散歩をしていると知り合いが多くなるんだよ」でも、犬の名前は知っているけれど、飼い主の名前は知らないんだと説明して笑った。二人で散歩しながら、このまま元気になってほしいいと思っていた。

 在宅看護を始めるのに先生が見つからなかった。大田区の先生は管轄が違うので、相談だけだからと、近くの往診する先生を紹介してくれた。

 初美を連れてその先生に診察を受けたけれど、私の思いとは違っていたのでお願いはしてこなかった。今まで、ファックスで訪問看護師さんに教えられたのと違っていた。

 お世話になっている人達に悪いけれど、こだわっていたし、妥協するわけには行かなかった。そんなわけで、往診の先生も見つからないままだった。

 Kさんに紹介していただいたTさんと連絡が取れて、波動水と世界自然遺産の水を送ってもらえる事になった。初美に少しでもガンに良いという物はしてあげたかったし、これからTさんにも、お世話になるけれどお願いした。

 初美も、世界自然遺産のお水に波動水を入れて、飲む量が多く、他にも飲む、アガリクスや十全もあって「飲むのも大変だよ」と言っていた。だけど、初美は「哲ちゃん、次、何時に飲むの」とか全部、私に任せていた。

 

食欲も出て来て、私よりも食べるようになっていたので、Kさんと、毎週病院の診察日を一緒にして、帰りは三人で外食するのも、楽しく、美味しく食べられるようになって行った。
 私の気持ちは、いつも、はらはらドキドキだったが、皆が励ましてくれて、Tさんも、お会いした事は無かったが、いつも電話で力づけてくれていた。

 自分が一人で、初美の看病をしているのではない、皆がついていてくれると思い、どんなに心強く感じていたか、初美と二人で「がんばろうな」と毎日話していた。

 朝から夜中まで、やることは一杯あったが、気持ちが張っているせいか、疲れは感じていなかった。初美が元気になっていくのが嬉しかったけれど、本で読んだように一時的なのかと、心配はしていた。

 今まで、神様にお祈りをしたことは無かったけれど、もう神様に祈るだけだと、一生懸命に二人でお祈りもしていた。そして夜は、かかさず、Kさんに頂いた手形で、初美の体を私が手かざししていた。飲んだり食べたり散歩したりが、毎日の日課は決まっていたけれど、初美の心の中は、死の怖さと、私を置いて死ぬことが出来ないと思う気持ちは、誰にも癒しきれないかも知れないけれど、少しでも心の癒しが出来ればと思っていた。

 

でも、本当は、私自信が、怖くて、夜中三時頃になると決まって、初美の部屋に入って、寝ている顔をみて、自分のベッドに入ると、神様に自分の不安な気持ちを話すようになっていた。人に、助けてほしいと言えないけれど、神様に、初美を助けてほしいと、毎晩お願いしていた。

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