虹色救急箱 Vol.25
Vol.25 『カラスのはなし -下- 』
温度調節が難しい毎日です~。「あっと言う間にもう師走!」の声、そしてクリスマス・ソングが本格的に聴こえて来るようになりましたねっ。
さて、カラスの話の続きです。。。(※一般的な身近にいるカラスはRavenではなくcrow)
カナダの先住民の神話にヒーロー的存在として登場するカラスですが、世代を越えて愛されている宮澤賢治の童話にも時折カラスが登場するのをご存じでしたか?童話の内容から、賢治はカラスに対して悪いイメージを持っていなかったことがうかがえます。中でも有名な『からすの北斗七星』をちょっと覗いてみましょーう。
カラス達のストーリーで、「(義勇艦隊の)大監督」である年老いたカラスも登場します。「ギイギイ」鳴くので、「のどの壊れたカラス」と子供に言われたりしていましたが・・・(※以下は文章の一部抜粋です。)
「~それも決してのどが壊れたのではなく、あんまり永いあいだ空で号令したために、すっかり声が錆びたのです。それですから烏の義勇艦隊は、その声をあらゆる音の中で一等だと思っていました」
この作品を読んでからというもの、ガラガラ声のカラスに出会うたびに心の何処かで「もしかして大監督?」「おお、一番偉いカラス!」「ガラガラでいい声してるなあ。」と思ったりしてました。この作品に限らず、賢治の童話に登場する動物達は擬人化されていることが多いので、人間に置き換えて考える楽しさがあります。
話はそれますが、ギイギイガラガラ声ではなくても、面白い声で鳴くカラスが時々いますよね~。犬の鳴き声を真似て、「ワンワンッ!」と吠えるのが可能(?)なカラスもいるようですねっ。
私が出会った面白い鳴き声のカラスは、「ワァ~オ!」(間を置いて)「ワァ~オ!」・・・と繰り返すマリリン・モンロー風のカラスです。
ところで、世界中の人々から愛されている絵本作家の故ターシャ・テューダー(TashaTudor)さんの作品にもカラスが登場するものがあります。そして、以前のNHK特集をご覧になった方はご存知だと思いますが、カラスはターシャさんにとって守り神なのだそうです。ターシャさんのお住まいの地名がRaven(※Ravenはワタリガラスのこと:『カラスのはなし -中-』参照)なので、勝手に守り神にしちゃったのだとか。
そんなわけで毎年クリスマス・シーズンになると、ターシャさんのお宅のクリスマス・ツリーのてっぺんには星ではなく、本物ソックリなはく製のようなカラスのオーナメントが飾られて(祀られて?)いるんですよねえ。。。あれは本当にはく製なのかも知れない・・・。(ちょっと知りたい
)
ターシャさんのカラスの乗った個性的なツリーは前代未聞でしたが、カナダの先住民にとってはすご~く共感する部分がありそうですよね。ターシャさんのお宅でもカラスは守り神でした~。先住民の神話と重なって、なんだか素敵ですね。
(※カラスを守り神としているのは、北米地域の一部先住民だけではないそうです。)
『カラスのはなし -上中下-』はいかがでしたか?
ほんの少しでもカラスのイメージアップに繋がればカラスも喜ぶ・・・かな?
もしまた面白い鳴き声のカラスに出会ったら、その時は報告しますねっ。
by天川りを
| 固定リンク
「虹色救急箱」カテゴリの記事
- 虹色救急箱の天川りをさんから、コメントへのコメントが付きました。(2011.12.31)
- 虹色救急箱 Vol.36(2012.01.01)
- 虹色救急箱 Vol.35(2011.10.01)
- 虹色救急箱 Vol.34(2011.09.29)
- 虹色救急箱 Vol.33(2010.12.24)
コメント
ここのところ,仕事の忙しさやちょっとした人間関係に疲労気味で,ちょっと心がささくれ立ってました。そんな時に,天川さんの愛情溢れるまなざしで綴られた「虹色救急箱」。「ワーォ」の鳴き声に,ウフッ…と笑っているうち…心のささくれに不思議な絆創膏を貼っていただいた感じです。 いつも和ませていただきありがとうございます。 また「心の絆創膏」を待ってます
投稿: 根本美貴 | 2009年12月11日 (金) 08時22分