『おし花』が結んだ友情
「あなたにもらった「『おし花』もっているわよ。」「えっ、ホンと?私、あげた?今でも、葉っぱが落ちていると手帳に挟んでいるのよ。だったら今度送るね!」「ホンと?ほしい。送って!」「あまり頑張り過ぎないで、自然体で行こうよ」「うん、そうする。ありがとう!またね!」帰り際に握手を交わした2人だけの対話。彼女がまもなく入院することを知った私は、帰宅してすぐ手帳や本の中からおし花を捜し、速達で送った。数日後、彼女から1通の手紙と絵葉書、小さな布製の匂い鯉のぼりが届いた。手紙を読んでいるとこみ上げてくるものがあった。「『おし花』をお送り下さり涙が出ました。会話の中の件、しっかり覚えてくれていたことに・・。私も予想外の病気になり、嘆いたり、恨んだりする事もありましたが、今は神様が私に与えてくれた道(?)かもと言い聞かせ、感謝して受け容れ、生活しております。又、夫や子供それに親友(素敵な同級生達)に余命を譲られ、助けられて今日があります。落ち込んだ時、苦しい時、あなたのあたたかい手の温もりを思い出し、「おし花」を大切に、いつもそばにおいて、あまりがんばらず、これから、過ごしていきたいと思っています。久しぶりにおしゃべりができ、楽しいひとときでしたね。・・今日から4週間、点滴と内服のがん治療が始まりましたが、皆からのパワーで乗りきって行きます。・・・」
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