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事故に遭わなければ一時代を築いたに違いない今は亡き、オートレーサー須之内哲也の連載コラム  

vol.35. 2011-4-28

毎日、毎日、二人で話しているけど初美が自分の部屋の畳を取り替えてと言ったので私は何でと聞くと「自分が死んだら皆な来るから」綺麗にしておこうと畳を取り替える事にこだわっていたから私も初美の思うようにすべてしてあげたいと思い、すぐ畳やさんに電話して六日に来てくれることになった。

もう初美も私も死が近いことをわかっていたので何でも話合おうと二人で居るときは今までの思い出話をしたりこれから私が一人になって心配で仕方ないと話していた。

もう一日一日が悪くなって歩けなくなってきていて洗面も辛くなって、朝起きると私の車椅子に捕まって立ち上がり台所の椅子まで両手を支えて椅子にやっと座る事が出来て、台所のテーブルに洗面器と電動歯ブラシで洗面をして髪は私が梳かして三つ編みに後ろで束ねるのだが私が中々うまく三つ編みで束ねられなくて「もう哲ちゃんは下手だね」なんて初美に言われながら二人で笑いながらの洗面を終えるとこんどは洗面器にお湯を汲んでタオルで身体を拭いて夏だからいいけど寒かったら大変だななんて言いながら今こうして二人で楽しい時間だと思っていたできるだけ家族だけの時を過ごしたかったし、

初美ももう誰とも会わないで家族だけがいいよと言っていたので人が来るのを断ったりもしていた。

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