事故に遭わなければ一時代を築いたに違いない今は亡き、オートレーサー須之内哲也の連載コラム
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vol.42. 2013-8-21
9月24日、次男も一週間ぐらい前から会社を休み取って長男と三人で看病した。看病の手際は素人だから良くないのはわかっていたけれど、夜中だけは子供達に仮眠を取らせて私はほとんど寝ていなかった。皆は私が倒れるのではないかと前から心配していた。私はほとんど寝ていなかったけれど気力だけで絶対倒れないと、初美がいる限り絶対大丈夫だと思っていたし、夜中に初美の顔を見ていればそれだけで疲れが取れるような気持ちだった。お昼頃私の姉が来てくれている時に、初美が昨日までオシッコを漏らさなかったのに寝ている時に姉がパジャマが濡れているのに気が付いて取り替えてくれたりした。急に様態が変わって来ているのがわかり、姉も「今夜泊まろうか」と言ってくれたけど大丈夫だからと断って話していると私のいつも来てくれる友達が来てくれて、初美の好きな花をまた持って来てくれたのでベッドから見えるところに置いた。姉が来てることは初美もわかっていたが友達が来ていることはわからなかったようで、帰った後に花束をみて来た事がわかったらしかった。「うん来てくれていたんだよ」と言って初美の手を握りながら話していたら、初美はだんだん話し出して夕方5時頃から今日の事を話していたのに、以前、小田原城に二人で車椅子を押して上まで行ったことや鎌倉や湯河原、箱根に行った時の話しをしだした。私も「あの時は楽しかったな」というと「うん楽しかったね」とだんだん声が大きくなってきた。
なんか変だなと思いながらも話していると、もう初美の話が止まらなくなって次から次と昔話をして啓樹のこと孝博のことを話し出した。私も「そうだったよな・・そうだよな」とあいづちをしていた。すると、だんだん初美の言葉がわからなくなってきて声は大きくなるし・・でも初美が「哲ちゃん愛している」と言ったので私もわかっているのかと思い「お前が俺を愛しているなんて初めて言ったな」と初美に問いかけたけどもうその返事はなかった。どんどん話をするのだが、もう何を言っているのかわからなくなって聞き取れない。できるだけ何を言っているのか聞いてやろうと思うけどわからなかった。でも啓樹、孝博、哲ちゃん愛しているだけはちゃんとわかるように言ってくれたのかもしれないと思っていた。
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