『誰も僕に説明してくれないよ!』
初回訪問が終了する頃、Aさんは笑顔を見せながらおっしゃいました。膀胱ろうを造設、その管理をして欲しいと依頼があった方でした。
「尿が出なくなったからって、お腹に穴を開けて管を入れたんだけどさ、退院したら病院で消毒をやってくれるのかと思ったんだよ。ところが今度は病院に来るのが大変だろう、今は看護師さんが家に来てやってくれるから頼んだほうが良い、って言うんだよ。それも息子達に話して決めてんだよ。俺には何にも相談なしでさぁ。耳が遠いからって大きな声で言ってくれれば良いし、書いてくれれば分かるんだよ、目は良いから。俺は病院に行ってやってもらったほうが安心なんだよ。あ、でもこれはね、あんた達(私達看護師)に言ってる事じゃないんだよ、でも何も僕に言ってくれないからさ」。
昔、近衛兵だったと言うAさん、おっしゃることは筋が通っている。「本当にそうですね、おっしゃる通りだと思います。私達も気になることは、大きな声できちんとお話しします。」と言うと「よろしく!」と笑顔で応えて下さいました。こんなやり取りを大切にしたいと思いました。
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