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コラム「医師として、武士として」  Vol.50看とり士:その1  安藤 武士 Andou takeshi

1941年、新潟県生まれ。1967年、新潟大学医学部卒業後、医師登録と同時に外科研修を開始。72年、呼吸器・心臓血管外科を専攻後、80年より、心臓血管外科部長として日本赤十字社医療センターに勤務。2001年より職域診療所所長、2010年より佐野市民病院健康管理センター所長として活躍。労働衛生コンサルタント・スポーツドクター(日体協)・健康スポーツドクター(日医)・認定産業医(日医)の資格を持ち、これらの5つの顔を絶妙な味で使いわける医学博士である。身体の大きさと、豪快な笑い・笑顔には、その人柄と存在感をより強くアピールする何ものかが潜んでいる。やはり'武士'にして"武士"ここにあり。

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Vol.50 2014.12.2看取り士:その1

「看取り」の意味が変遷している。大辞林(199年版)によれば、「病んでいる人を観ること、看護。」、広辞苑(1995年版)では、「看病」と定義している。

しかし、現在は「看取り」と言えば、小生はうまく表現できないが、コラムをご覧になっている方が思う「看取り」と同じと思い話を進める。「看取り」という言葉は極めて特別な響きをもっている。いつからかはわからないが、限定的に「死に至る人を見守る」という意味で用いられるようになってきた。「最期を看病する」という表現が、「看取る」となったとの説もあるが、50年前からその意味を持っている言葉であると言う人もいる。

報道によれば、「介護報酬改定に向けて厚生労働省は、在宅介護サービスの具体的な見直し案を公表したとの報道がなされたが、居宅介護報酬に『みとり介護加算』を新設される」ようである。「看取り」という言葉が既に公的にも用いられているとは思わなかった。看取り介護加算、看取りマニュアル、看取り同意書、看取り計画書、看取り介護指針と、公的な言葉の定義、規則、経済が絡むと本来の「看取り」の意味する精神性が薄くなってくる。在宅医療・看護には必修の要件となっている行為のはずであるが、「看取り」は看護・介護業務の一部となってくるのではないかと心配している。すでに“業務”となっているようであるが(次号に続く)。

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