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コラム「医師として、武士として」  Vol.54離婚  安藤 武士 Andou takeshi

1941年、新潟県生まれ。1967年、新潟大学医学部卒業後、医師登録と同時に外科研修を開始。72年、呼吸器・心臓血管外科を専攻後、80年より、心臓血管外科部長として日本赤十字社医療センターに勤務。87年より職域病院部長、2001年より職域診療所所長、2010年より佐野市民病院健康管理センター所長、そして 現在は、医療法人社団東華会・介護老人保健施設たかつ施設長として活躍。労働衛生コンサルタント・スポーツドクター(日体協)・健康スポーツドクター(日医)・認定産業医(日医)の資格を持ち、これらの5つの顔を絶妙な味で使いわける医学博士である。身体の大きさと、豪快な笑い・笑顔には、その人柄と存在感をより強くアピールする何ものかが潜んでいる。やはり'武士'にして"武士"ここにあり。

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Vol.54 2015.3.28離 婚

 日本の総人口は総務省、総死亡数、死因、婚姻数、離婚数は厚生労働省、離婚原因は法務省が把握している。

昨年の12月 1日現在の総人口(概算値)は1億2707万人(男性6179万人、女性6258万人)となっている。50歳から女性の総人口が男性より多くなっている。総死亡数は、126万8436人で、死因の第一位は悪性腫瘍、37万人である。

婚姻数は660、613組、離婚数は231、383組、離婚は平成14年の289、836組をピークに減っているが、現在、3組に1組は離婚していることになる。

離婚の話しである。離婚数は厚生労働省が把握しているが、離婚原因は法務省であることは先に記した。日本の人口動態(広義)を知るには、総務省、厚労省、法務省の資料を見なければ把握できない。複雑である。

離婚形式には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚があるとされている。裁判離婚の場合、民法770条が適応されるので、興味のある方は六法全集を開いていただきたい。

 

本題にはいる。小生の4年後輩の外科医の山田君(仮名)は、小生も所属していた研究室の研究助手の女性と結婚した。小生は、ご夫婦をよく知っていることになる。8年程、山田君は研究室におり、その後、市中病院の勤務を経て、故郷の田舎に診療所を開設した。周囲は田畑だけと聞いている。診療所は山田君の故郷の自宅からそう離れていないが、24時間体制で診療をしていたので、いつもは診療所に泊まり、時に自宅に帰り洗濯物を持ち帰るという生活が続いた。診療所を生活の場としながら地域の医療活動に専念した。住民から“赤ひげ先生”と言われるまでになり慕われた。東京にいる小生にも手術患者を紹介してきたことがある。

毎年、「季節の便り」のやり取りしていたが、途絶えたので自宅に電話を入れた。研究室にいた奥様の声がした。「山田先生から便よりがないが、相変わらず、元気に飛びまわってるの?」と尋ねた。時間が空いた。暫くすると、離婚した。財産分与で調停中であるとの返事があった。驚いた。どうしてと尋ねたら、30数年間、ご主人は、昼夜を問わず診療をしいたので住民から“赤ひげ先生”と慕われており、奥様も誇りに思っていたという。数年前、奥様の実家の両親、ついで同居しているご主人(山田君)のご母堂さまの介護が必要になってから、一人っ子である山田君は診療所より帰えるたびに、ご母堂さまの介護が悪いと奥様を叱責し、また子供達にもあれこれ言い、診療所に戻るという生活が続いた。それでも、奥様は、ご主人を支えたという。山田君のご母堂様が亡くなった。長年続いた重圧から解放された。

山田君は、「患者が待っている。父親と思うな。好きなことしなさい。」と子供達に言ったきり、数ヶ月も帰ってこないという生活が繰り替えされた。

奥様は、お子さん(と言っても大学生)たちと新しい生活を持った。奥様は仕事を始め、近所付き合いも盛んにするようになった。ご主人先生を誇りに思っていた30数年間の生活と全く異なった生活を楽しむようになった。“赤ひげ先生”のことは、家族の精神生活に入らくなっていた。 ある日、“赤ひげ先生”が突然帰ってきた。緊張が走った。奥様は、離婚を申し入れた。

 

小生も、断続的にではあるが10年程、単身赴任の生活が続いた。山田君の奥様の話を聞き、慌てて自宅からの勤務に戻った。今、久しぶりの電車通勤を味わっている。息抜きの時間である。(完)

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