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コラム「医師として、武士として」  Vol.73クエーカー教 安藤 武士 Andou takeshi

1941年、新潟県生まれ。1967年、新潟大学医学部卒業後、医師登録と同時に外科研修を開始。72年、呼吸器・心臓血管外科を専攻後、80年より、心臓血管外科部長として日本赤十字社医療センターに勤務。87年より職域病院部長、2001年より職域診療所所長、2010年より佐野市民病院健康管理センター所長、そして 現在は、医療法人社団東華会・介護老人保健施設たかつ施設長として活躍。労働衛生コンサルタント・スポーツドクター(日体協)・健康スポーツドクター(日医)・認定産業医(日医)の資格を持ち、これらの5つの顔を絶妙な味で使いわける医学博士である。身体の大きさと、豪快な笑い・笑顔には、その人柄と存在感をより強くアピールする何ものかが潜んでいる。やはり'武士'にして"武士"ここにあり。

Vol.73 2015.9.6クエーカー教

1952年、アカデミー賞を受賞した「真昼の決闘」という西部劇映画がある。「ハイヌーン」と言った方が通りが良いもしれない。アメリカの西部開拓時代の話である。荒筋を記す。

西部の小さい町の出来事である。結婚式を挙げた保安官ケイン。新妻エミィと、任期を終え町を出ようとすると、かつて自分が投獄した無法者フランクミラーが出所し、3人の仲間とともに自分を襲うという計画を知る。

 保安官ケインは一度は新妻と共に町を出ようとするが、再び引き返し無法者との対決を決意する。町民に協力を求めるが、誰一人して協力する者はいなかった。新妻エミィまで戦わず町を出ようと迫る。そうでなければ、次の列車で町を離れるという。フランクミラーの列車が到着する正午まであと1時間20分。刻々と迫る切迫感と保安官の焦燥感が伝わってくる。4対1の決闘。結局は、保安官ケインが正義を貫くという荒筋の映画である。二人だけで闘いに勝つのである。先日、思いだしたようにこの映画のDVDを観た。新婦の言葉が、心に響く場面を再現する。

新婦エミィは、ならず者が乗ってくる列車でその地を去ると事にした。列車が到着する正午(ハイヌーン)まで、ホテルで待つことになった。その時、保安官の元恋人が、「何故、逃げるの。そんなに銃声が怖いの。一緒に戦うのが本当じゃないの。」と責める。新婦は、「そんなことありません。兄も父も正しかったけど撃ち殺された。それを切っ掛けに私はクエーカー教徒になったの。正義を貫くのは打ち合いしかないの。他の生き方があるはず。」というシーンが印象に残る。 

クエーカー教徒は、北米のどこかの州にまとまって生活している平和主義者で、故郷を出ることは、世間に疎いので相当な覚悟を持って離れなければならない事ぐらいしかの知識しか持ち合わせていなかった。

早速、調べた。クエーカー教は、キリスト友会、真理の友会、求道会などと呼ばれていた。1650年、キリスト教プロテスタントの一派で創立者のイングランドのジョージ・フォックスが当時のキリスト教の儀式化・神学化に異を唱えたことから始まる。神名冒涜罪にとわれ裁判にかけられる。判事が「信者は、神の言葉で身を震わせた。」と言っている故に彼らをクエーカーと呼んだ。クエーカーの呼び名はこれに由来するという。クエーク(quak)は震えると言う意味である。信者は、絶対平和主義者で、反戦・平和運動家として活動した。賛同者があらわれ、今は、アメリカ、ケニア、ボリビヤで約60万人の信者がいるという。特に有名なのは、アメリカのペンシルバニア州フィラデルフィアのクエアーカーである。

 クエーカーは、戦争や武力行使や暴力に反対し、個人の組織や国家紛争の解決を求める手段として例外は認めない絶対的非暴力・非軍事力により平和を追及し実現、維持を求めている。1947年、アメリカ奉仕団、イギリスのフレンズ教義会に対し、良心的兵役拒否、非暴力の提唱者、反戦活動の功績によりノーベル平和章が与えられている。

 日本国憲法第9条も文字通り読めばそれに匹敵すると言う人もいる。そうではない、積極的平和主義と解釈できやもう得ない場合、専守防衛のための交戦権もありえるとの意見もあり世間は騒がしい。

 元首相であった小泉純一郎氏は、ジョージ・ブッシュ大統領に、「ハイヌーン」を最高傑作といったと聞いているが、現在も同じ考えなのであろうか。聞いてみたい。

現天皇の皇太子時代の家庭教師、エリザベス・ヴァイニング女史はクエーカー教徒である(完)。

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