【システムのスタッフは、今】「先生が来るたびにこのしびれを何とかしてほしいとそればかりを言っていたが、まるで聞いてもらえなかった。これじゃモルモットだよ」・・帰宅して2日後、逝かれた。治療って何だろうか?生かされていればよいのか・・・?
久しぶりに太陽が顔を出しました。雨続きで空も気持ちもモヤモヤしていましたが…陽のひかりの力は素晴らしいです。
訪問依頼があり、初めて訪問看護に伺いました。
病院訪問の際にも、家に帰って何が一番したいですか?と伺うと「こいつと一緒にご飯が食べたい。それだけだよ」と言いポロポロ泣いてしまわれました。ご自宅に伺った時も病院での様々な思いを話してくださいました。
「抗がん剤の薬を次はこれ、効果がなければこれ・・・途中で手足のしびれが出てきたけれど言っても聞いてもらえなかった。結局、間質性肺炎になってしまいこれ以上の治療は出来ません」と。更に「ここは治療や手術を目的に入院する病院なので・・・」と言われた。
帰ってみたらすぐそこのトイレに行くにもお母さんの手を借りないと行けなくなってしまった。この人にこれ以上の迷惑をかけたくなかったのに・・・こうなる前に「こういう症状が出るかもしれません」と一言話して欲しかった。
「先生が来るたびにこのしびれを何とかしてほしいとそればかりを言っていたが、まるで聞いてもらえなかった。これじゃモルモットだよ」・・と。
小一時間ほど話されて、「こんなんだけれどよろしく頼むよ。今度の先生は赤ひげ先生だね」と。
翌日伺うと状態は悪くなっており、でも誕生日ということで奥様が買ってきたケーキを2口食べ、奥様に作ってもらったおじやを少し食べ休まれたそうです。
あくる日、「呼んでも起きないんです」と連絡があり伺いました。
さらにレベルは落ちており呼吸も下顎呼吸になっておりました。緩和ケア病棟を希望されておりましたが
「奥様の声を聴いていると安心すると思います。お家の匂いや気配なんかも最後まで分かりますし、すごく心地よいかと思いますよ」と話すと、「このまま家で看取りますので助けてください」とおしゃられました。
幸いなことに往診の先生が皮下注で痛み止めも入れてくださっていたのもあり、表情は穏やかでした。
ご兄弟も夕方には会う事もでき安心されたのかその晩にお亡くなりになりました。
今の病院の現状。治療って何だろうか?生かされていればよいのか・・・?
ここで様々な相談をきいてくれる人がいれば・・・。すごくすごく考えさせられています。
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