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コラム「医師として、武士として」  Vol.95 「命のトリアージ」    安藤 武士 Andou takeshi

Vol.95 2018.3.3  命のトリアージ

今日も、近くのスタバで、抹茶フラペチーノを楽しみながらコラムを書いている。資料を調べているうちに気が重くなってきた。本日は、“重い重い”話となる。

 

 1月下旬、「新型生前前診断(NIPT) 本格実施」 “対象施設拡大と 指針の見直しへ”、という記事が新聞の一面のトップに掲載されていた。妊婦の血液から胎児の病気の可能性を調べるNIPTを巡り、日本産婦人科学会が、倫理面で臨床研究に限定したのを見直し本格実施に踏み切る方針を固めたという。胎児の中絶に繋がるため「命の選別」との批判も根強いが、高齢者妊娠の増加で高いニーズに応える必要があるとして受診できる施設を大幅に増やすという報道がなされた。日本医学会がNIPT実施できる施設認定を行っている。現在は89施設が認可されているが、認可施設を600施設程度まで拡大する事を検討中という。昨年、日本では9月まで5万人余が検査を受けたという(新聞報道)。 

INPTは、妊婦の血液中の微量な胎児のDNA分析し、染色体数異常の可能性の有無を調べる検査である。確定診断は羊水検査であるが、NIPTは容易にしかも母体に及ぼす危険もないので、NIPTが広がっているという。実施できるのは日本医学会の「認定施設」のみに限定されている。現在、検査を受けることができる妊婦は、35歳以上、過去に染色異常(21、18、13トリソミー)の分娩経験のあるもの、胎児が超音波検査、母体血清マイカー検査で、染色体異常の可能性の上昇を指摘されているもの、両親がロバートソン転座(13、14、15、21、22番の染色体異常)があるものされている。

13トリソミーとは、13番目の染色体が1対(2本)でなくもう一本、余計にあることをいう。胎児は、染色体異常で色々な健康障害を持つ。

現在、指針に定められた年齢に関係なく、また、21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミ―(パトウ症候群)以外の染色体検査をする施設もあるという。また、無認可施設も登場してきているという。NIPTは、2011年、米国で開発されたが、詳細は他に譲る。英国では2004年以降、は全妊婦が何らかの出生前検査を受けるよう求められているという。

 

小生が、医学進学過程を終了し医学部の基礎講義に「衛生学」があった。衛生学の講義は、大変、勉強になった。デトロイトの大気汚染〈エアーポリューション〉、ハンスセリエのストレス学説など今日的問題になっている学問的基礎知識を、聴講できた。

その一つに、優生学的問題に関する講義があった。宗旨として自然妊娠のみ許しているクエーカー教徒の実態調査で、排卵から受精までの期間が長いほど染色体異常の胎児ができることが判明したという。多くは死産であるが、21トリソミー(ダウン症候群)の胎児は出生するという。21トリソミ―の人達は、争う事はなく何時も穏やかで人なつこく、この世の全ての人が彼ら彼女らのようになれば、世界から争いがなくなるというものであったと記憶している。現実には、種々な問題を抱え日々を送らざるを得ない。

 

全世界の妊婦に、何らかの生前検査を受けさせることが当たり前になってきているようであるが、生存可能な染色体異常胎児と判明した場合でも、何らかの処置をとることになることは必死である。日本では、胎児が染色体異常あると判明した場合、97%の妊婦が処置をとっているようである。第2次大戦でドイツが行ったホロコーストと同じことが日常的になりつつある。

 

 小生は、妊婦の生前検査の是非に対し答えを持っていないが、医学が進むほど倫理的な問題が生じてくることを言いたかった。(完)

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