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2010年11月26日 (金)

メッセンジャーナースの同行説明を受けた方の一言は、重い!

一人暮らしの78歳の女性が相談に来られたのは9か月前のことでした。

「片目はもうまったく見えない。それなのに、もう片方もいきなり手術を勧められ、手術してもダメかもしれないけれどと言われた。私は手術を拒否した。手術の腕が良いからと友人に薦められたが、他の医者を紹介してもらいたいと思って・・」。

お話を伺っているうちに、たくさんの心の内が語られました。「もし、両方とも見えなくなったら一人暮らしもできないし、施設に入らなければいけなくなる。私には猫との生活がありやりたいことがある。今の家が亡くなった主人との思い出の場。周囲は勧めるけれど、施設にはまだ入りたくない。だから・・・でも、あの医者には私の気持がわかってもらえない、とずっと悩んでいた」と。

相談を受けたメッセンジャーナースは思いました。手術を拒んでいるというより医師の対応・説明に納得していないのだと。そこで、病院を替える前に、一度、同行して腕が良いと言われる医師の説明をもう一度受けようと提案しました。

看護師長に病院内のメッセンジャー役を果たしてもらい、同行して自ら納得するまで約35分、2人で説明を受けました。そして帰り道でおっしゃった言葉は、「私の目を見て話してくれたのは初めて。綺麗な先生よね?最初からあんなふうに話してくれたら、自分では悩まなかったと思う」。1週間後に手術を自ら決め、その後、無事、手術を受けたのでした。

先日お会いした時におっしゃいました。「視力はやっぱり落ちている。でも、あの説明の時から、医者は私を認識している。認識してくれたから良かったと思う。その前までは、私は受診している一人の患者という受け止めでしかなかったから」。

新しい眼鏡をかけ、素敵な帽子にネックレスが良く似合う。歳を感じさせない品のあるその姿から、自分らしく生きようとする心意気が伝わり、輝いて見えました。

勇気を頂きました。

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