【メッセンジャーナースからのメール】真夜中、在宅療養の継続か救急搬送かの選択の場面で、家族と医師の間での橋渡しが求められました。最終的に、病院も面会の制限を緩くしてくれ、毎日面会ができることに。これまでの経験・繋がりに、こころから感謝できる自分にかわっていることを報告したく・・←(岡山のメッセンジャーナース)
せん妄がありながらも、家族の希望で在宅看取り目的で帰宅されたばかりの方でしたが、目の前で、腹部静脈怒張が増し急激に腹部がはれ上がり、出血が起こったことが推測され、相談の連絡をした際に対応をしてくれたのが、以前勤めていた先の院長先生でした。
先生からは、直ぐ看取りになりそうか確認がありましたが、血圧等からは直ぐに旅立ちそうな状態ではなく、辛さの訴えが出現していることもあり、苦痛緩和の対処が求められる状態と伝えました。真夜中のできごとでもあり、その急激な痛みに対応するには、在宅ではマンパワー上も対応できない。直ぐに入院をしていた病院にもどして苦痛緩和を依頼した方がよいとの回答でした。
奥様は、家で送りたいと希望されましたが、直ぐに呼びよせた娘と息子が、苦しがる父親をみて、今はしんどさをとってもらうために病院に行こうと言ってくれました。
病院に行ったら面会が制限されることが奥様にとって受け入れがたいことではありましたが、子供たちのことばと、本人のしんどいとの言葉で、最終的に病院に救急搬送となりました。その後、厳しい状況ながら、オピオイド注と夜間鎮静で小康状態となっていますが、予後日にち単位の見込みの中、何度も、奥様から家での療養の可能性の検討をしてほしいと、緩和ケア病棟・以前の勤め先内科病院・センター晴に相談の連絡と、皆での話し合いがなされました。
最終的に、病院も面会の制限を緩くしてくれ、毎日面会ができると言うことで、在宅療養の断念とはなりました。
在籍中は、反発心いっぱいだった自分から、一つ成長できている自分を感じることができました。医師のこころの風景“言葉は厳しくとも、患者の安全を護ろうとあえてその厳しい態度をとっている”ことも、電話でのやりとりでわかり、改めて、医師・看護師の役割を互いが認識し、それぞれの役割を果たすこと。それが最終的には患者・家族の希望通りにならない事態となっても、理解が得られることを感じています。
今は、旅立とうとしている夫に妻が短時間でも密に関われるように病院の方々に託し、また心のよりどころとして担当していた訪問看護師がしっかり電話でフォローしてくれていることを心強く思っています。
この週末は、脱水・熱中症・看取りと立て続けで、今ふか~い眠りから覚めて、気持ちも体もリセットでき、心から内科で経験させてもらった様々なことがあって今の自分があると思え、こころから感謝できる自分にかわっていることを報告したく、久々に長々とメールをしています。
(岡山のメッセンジャーナース・赤瀬)
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