連載コラム「つたえること・つたわるもの」№185 〈泣いて〉生まれて〈笑って〉死ぬ――〈いのち〉の臨界点をさぐる。 健康ジャーナリスト 原山建郎
去る5月18日(土)午前10~12時、桜美林大学リベラルアーツ学群准教授(神学)、長谷川(間瀬)恵美さんが研究代表者である「死の受容」研究会の第12回定例研究会(Zoomミーティング)で、話題提供者(キーノートスピーカー)をつとめた。この研究会は、日本学術振興会(文部科学省所管の独立行政法人)が科学研究費を助成する「科学研究費基盤研究C(一人又は複数の研究者が共同して行う独創的・先駆的な研究。助成期間は3~5年間)」のひとつで、『患者を看取った宗教者の「死の語り」に関する研究-宗教多元主義の理論と実践』(2022~2024年度)というタイトルの、アカデミックかつスピリチュアルな研究会である。
数カ月前、長谷川さんから「クオリティ・オブ・デス」における「〈いのち〉の臨界点」について話してほしいと依頼を受けたので、この日のテーマは、「クオリティ・オブ・デス」〈泣いて〉生まれて〈笑って〉死ぬ――〈いのち〉の臨界点(Critical point of Life)をさぐる。とした。研究会参加者へ事前に送信された案内状の「発表内容」には、次の一文を掲げた。
クオリティ・オブ・デスには、医学的な死(肉体の細胞死)だけでなく、死にゆく過程や遺族に対するグリーフ・ケアを含む広義の「死」がある。出産時に妊婦のいきみと胎児の娩出がもたらす「往相(おうそう)の呼応」があるように、「これ以上は生きられない」と告げる自然死にも「還相(げんそう)の呼応」という〈いのち〉の臨界点がある。オギャアと泣いて生まれた私たちは、笑って死ぬことができるのか。「老いる・病いる」生き方をさぐる。
詳細は☞ ダウンロード - 185.pdf
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